2024年6月5日、内閣官房長官が議長を務める「農福連携等推進会議」で、11月29日が「ノウフクの日」(November=ノウ + 29=フク)に正式に制定されました。その目的は、農福連携の社会的意義を広く周知し、実践を促すための国家的なプラットフォームを築くことです。また、11月21日〜12月31日を「ノウフクウィーク」と定め、全国43か所以上で関連イベントが集中開催されるようになりました。
全国で広がるノウフクウィーク:地域ごとの具体的取組
栃木県庁の体験型フェア
11月29日、栃木県庁内の食堂では、福祉現場の生産者が関わる農産物を使った特別メニューを提供し、ノウフク商品の販売も実施。来庁者にとって理解を深める場となりました。
横浜・京都・福岡など自治体によるマルシェ開催
岐阜や鳥取、横浜、京都、愛知、福岡などでも「ノウフクマルシェ」や視察研修会、コンテストなどバラエティ豊かなイベントが多数開催されました。
東京・渋谷の記念フォーラム
東京・SHIBUYA QWSでは、企業担当者や福祉関係者を対象に、展示・交流・講演を通じて農福連携の魅力を伝える「サステナブルな食と地域に向けて」がテーマのフォーラムを12月2日に開催。
総理官邸での交流会
11月29日当日、総理官邸では農福連携の実践者を招いて交流会が開かれ、複数省庁合同のフェア企画が発表されました。
「みんなの声」から見える現場のリアル
制定初年度には、農福連携に取り組む障がいのある方々の“生の声”を収集し、冊子『みんなの声』として公開。自信や誇り、仕事の楽しさなど、前向きな変化が多数語られました。また、2025年3月には同イベントのアーカイブ動画がYouTubeで公開され、全国の現場と視聴者を繋ぐ貴重な記録となっています 。
2025年以降、「ノウフクの日」が目指す未来ビジョン
- 全国運動の本格化
11月29日を契機にした「ノウフクウィーク」は今後、12月にかけてさらなる広がりを見せると期待されます。自治体・企業・教育機関など多様な主体が一体となる場が増加中です。 - 制度・支援強化と現場のニーズ調和
行政の後押しに伴い、福祉と農業の連携拡大に向けた補助制度や相談窓口が整備されつつあります。一方、現場では道具・ICT支援、作業標準の共有など、実務的なバックアップが強く求められる段階に入っています。 - 企業や海外も視野に入れたスケールアップ
企業のCSRやCSV活動として、社員食堂との連携メニュー提供や広報素材としての活用はすでに始まっており、今後は国際的なネットワーク化も見据えられます。
毎年11月29日は「農福」と「未来」を耕す日
「November 29」という象徴的な日付は、農業と福祉の“結びの日”として定着しつつあります。これによって、イベントというアクションだけでなく、制度整備や啓発キャンペーン、ノウフク・ビジネスの志向が今後さらに深まるでしょう。
コラムを読まれる皆様へ:
次の「ノウフクの日」は2025年11月29日(土)。今から地域や企業がどのようにこれに向けた計画を立て、どんな連携を始めるのか、一緒に見守り、レポートしていきませんか?