常に前進、常に挑戦。
Empowerment Holdingsは「社会に良い」に
挑戦し続けます。

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私たちについて

Empowerment Holdingsは、
「社会に良い」に挑戦し続けます。
Empowerment Holdingsは、地域の産業、福祉、医療と密接に連携し、地域の価値を高める取り組みを進めています。また、地域資源をつなぎ、広げることで、挑戦を続けながら社会全体をエンパワーメントし、より良い未来を切り開くことを目指しています。

BUSINESS

事業案内

Empowerment Holdingsは医療福祉事業と農業事業を軸に、幅広いビジネスを展開しています。
地域社会が支え合いながら成長するモデルを実現し、活気ある未来をつくり出すことを目指しています。

COLUMN

コラム

2025.07.04 コラム
道の駅は物流拠点?

休憩・観光・地元の特産販売――そんなイメージが強かった「道の駅」。
しかし今、この“地域の立ち寄りスポット”が、農業と物流の交差点=ミニ物流拠点として進化しはじめています。

「物流インフラとしての道の駅」ってどういうこと?

近年、道の駅では以下のような動きが加速しています。

  • 農家が道の駅に野菜を持ち込む=小規模集荷ステーション化
  • 集まった野菜を周辺スーパー・飲食店・施設に地場配送
  • 高齢農家に代わって販路確保+出荷サポート
  • 一部では物流会社と連携し共同配送を実施

つまり、道の駅は「販売所」にとどまらず、「地域流通を回す拠点=物流のハブ」としても機能しているのです。

農家にとってのメリット

  • 出荷量が少ない:
    少量でも搬入OK。共同出荷で効率化
  • 個別配送が大変:
    まとめて配送してくれる体制あり
  • 売り先が限られる:
    直販+施設・給食・企業へ展開も可能
  • 高齢・後継者不足:
    出荷負担軽減+継続的農業が可能に

特に高齢農家にとって「野菜は育てられるけど、売りに行けない」という悩みをカバーできるのが道の駅の大きな価値です。

実際の取り組み例

滋賀県「道の駅あいとうマーガレットステーション」

地元農家300軒以上が登録し、朝持ち込んだ野菜がその日のうちに売り場へ。隣接した加工場でピクルスやドレッシングにも加工され、ロスも減少。

宮崎県「道の駅 つの」

地元スーパーと連携して、道の駅の野菜を市内スーパーへ定期配送。配送網が“買う”から“届ける”に拡張。

長野県「道の駅南信州とよおかマルシェ」

出荷野菜を学校給食・病院食に展開する「地域内循環モデル」として稼働。

「道の駅+物流」で広がる地域経済の循環

この仕組みは、単に物流を効率化するだけではありません。
地元で採れたものを、地元で売り、地元で食べてもらう――そんな地域経済の循環が生まれています。

さらに、農家⇔道の駅⇔企業⇔消費者のつながりが可視化されることで、食育・観光・災害時の物資拠点としての機能も強化されてきています。

デジタルと連携する道の駅の未来

一部の道の駅では、物流データや在庫情報をクラウドで管理し、地域の店舗とオンライン連携した“受発注型物流”に進化中。
今後は、以下のような展望も見込まれています。

  • ラストワンマイル配送拠点としての活用(例:高齢者宅配送)
  • シェア軽トラックやEV配送による環境配慮型ロジスティクス
  • 地元向け農産品ECの“出荷所”として機能

道の駅は、“観光地”から“インフラ”へと役割を広げているのです。

最後に

「道の駅=地域の物流の心臓部」へ

地元の人が作った野菜を、地元の道の駅が集めて、地元の人の食卓に届ける。
その流れを支えているのは、シンプルだけれど革新的な「地域密着の物流システム」です。

“販売所”から“流通ハブ”へと進化する道の駅。
その裏にあるのは、農業の継続、地域経済の活性化、そして「食の安心」を未来に届けるという、静かなイノベーションです。

2025.07.02 コラム
距離が短い野菜はおいしい?

野菜の「おいしさ」は、土や品種だけで決まるものではありません。
じつは“どれだけ早く食卓に届いたか”という「距離」も、おいしさを左右する大事な要素です。

そんな視点で注目されているのが、「地産地消」と「超短距離物流(マイクロロジスティクス)」という考え方です。

野菜と“距離”の話:どこから来るかで味が変わる?

たとえば、朝に収穫されたレタス。
地元で採れたものは数時間以内に店頭や食卓に届き、シャキシャキ感や水分量がしっかり残っています。
一方で、遠方から届く野菜は、収穫→冷蔵→輸送→仕分け→店頭へと時間がかかり、途中で水分が抜けたり鮮度が落ちる可能性もあります。

つまり、距離が短ければ短いほど「時間が短くなり」「輸送ストレスが少なく」「保存処理も最小限」になる。これが「近い=おいしい」の理由です。

地産地消+“超短距離物流”とは?

地産地消とは、「地元で採れたものを、地元で食べる」というシンプルな仕組み。
近年はそれに加え、
“農家→直売所→店舗・施設”を半径10km以内で完結するような配送網
、いわば“超短距離物流”が注目されています。

主な例:

  • 地元農家から道の駅へ→そのまま市内の学校給食へ
  • 朝収穫→午後にはレストランの厨房へ直納
  • JAや自治体が拠点を設け、農家がそこへ納品→地元店舗へピストン配送

この距離感だからこそ、“採ってすぐ”の野菜が、無理のない手段で届くのです。

地元で食べるメリットは“おいしさ”だけじゃない

🍽 鮮度・栄養価
採れたて野菜はビタミンCや酵素の減少が少ない。味も水分も段違い。
💰 価格の透明性
中間業者が少なく、価格が安定。農家にも利益が還元されやすい。
🌎 環境負荷の軽減
CO₂排出が少なく、梱包資材も最小限で済む。持続可能な食の形。
🤝 地域とのつながり
生産者の顔が見え、地域経済も循環。“買う”ことが地域応援に。

学校給食・病院食・社食でも導入が進む理由

近年、学校給食や病院・企業の社食などでも、地産地消・超短距離野菜を導入する事例が増えています。
理由はシンプルです。

  • 安心して提供できる
  • 鮮度が高く調理しやすい
  • 地元産と伝えやすく、食育にもつながる

子どもたちに「このニンジン、○○さんが作ったんだよ」と伝えることで、食への関心も高まります。

今、物流を“縮める”動きが広がっている

これまでは「いかに遠くへ、早く、大量に運ぶか」が物流の課題でした。
けれど今は逆に、「いかに近くで回せるか」が、サステナブルな社会のカギになっています。

  • 道の駅や農業集荷所が“物流ハブ”に
  • 配送業者と農家の個別契約
  • 軽トラック配送、ドローン配送の実証実験も

このような動きが、今後さらに広がっていくと考えられます。

最後に

“距離の短さ”がつくる、あたらしい「おいしい」

私たちが思う「おいしい野菜」は、
じつは畑と食卓の距離がつくっているのかもしれません。

輸送距離を縮めることは、ただの物流効率ではなく、
生産者、地域、食べる人みんなが幸せになる「食のかたち」なのです。

今夜の野菜、少しだけ“産地との距離”にも思いを馳せてみてください。

2025.06.28 コラム
「曲がったキュウリはどこへ行く?」

スーパーに並ぶ野菜は、どれもまっすぐで、きれいな形。でも畑では、もっと自由なカタチの野菜がたくさん育っています。曲がったキュウリ、小さすぎるニンジン、シミのあるナス……それらはいわゆる「B品」や「規格外野菜」と呼ばれます。

では、そんな野菜たちはどうなっているのでしょう? 廃棄されている? それとも、どこか別の場所へ――?

「B品野菜」とは?

「B品」とは、味や安全性に問題はないけれど、見た目が正規品の規格から外れている野菜のこと。たとえば、

  • 曲がったキュウリ
  • 表面にキズがあるトマト
  • 規定より小さいキャベツ
  • 色ムラがあるピーマンなど

農家では収穫全体の2〜3割が規格外になることも。その多くが、これまで「廃棄」や「家族用」「堆肥化」に回っていました。

B品野菜はどこへ行く? 主な流通ルート

① 加工食品メーカーへ

カット野菜、ジュース、冷凍食品、惣菜などへ加工されるため、形にこだわる必要がありません。
→ 見た目より味や水分量が重要視されます。

② 飲食店・社食・給食など業務用へ

地元の飲食店や学校給食などでは、調理で切って使うので「曲がっていても問題なし」。
→ 地元のB品を「地産地消食材」として取り入れる自治体も増加中。

③ フードシェア・子ども食堂などへ提供

まだ十分に食べられるB品を、支援団体や食堂へ無償・低価格で流通させる「フードロス削減」の取り組み。
→ 地域の貧困支援・食品教育にもつながる。

④ 専門ECサイト・青果マルシェへ

「もったいない野菜」「訳あり野菜」としてオンライン販売。
→ 規格外でも「個性的で愛らしい」と人気。環境意識の高い消費者が支持。

流通の課題と工夫

B品野菜の流通では、以下のような課題がありました。

  • 正規品と混載できないため、仕分けや梱包が手間
  • 市場を経由できず、販売ルートが限られる
  • 売価が安く、配送コストと採算が合いにくい

近年では、以下のような物流改善が進められています。

  • 共同配送によるコスト圧縮
  • 低温小型便の導入(宅配業者と提携)
  • 産直型EC×契約農家のスキーム化
  • JAやフードテック企業との協業(例:OFFICE DE YASAIの加工素材)

B品野菜が持つ“価値”と“未来”

B品は、「売り物にならないもの」ではなく、「売り方を変えれば価値があるもの」。

味も栄養も変わらず、しかもフードロス削減・生産者支援・地産地消につながる。今、B品を活用する取り組みは、単なる“裏流通”から“社会的選択肢”へと進化しています。

最後に

「まっすぐじゃない」野菜が教えてくれること

曲がったキュウリ、小さなナス、シミのある大根。
それらは、自然が育んだ個性であり、農家が一生懸命育てた命です。

“見た目がすべてじゃない”という価値観を、私たちの食卓にも。
今後、「B品野菜」は、選ばれる選択肢のひとつとして、もっと身近な存在になっていくはずです。

2025.06.24 コラム
「朝採れ」はどう届く?――野菜の“スピード流通”の裏側

「今朝採れたばかりの新鮮野菜です!」
マルシェや直売所、スーパーでそんな言葉を見かけたことはありませんか? でも実際に、どうやって“朝に採った野菜”が、昼過ぎや夕方には消費者の手元に届くのでしょうか?

その裏には、生産者・集荷・輸送・販売の間を駆け抜ける“スピード勝負”の物流があります。

🕓 4:00〜6:00|まだ暗いうちから始まる収穫作業

朝採れ野菜の第一歩は「早朝の収穫」。
農家さんたちは気温が上がる前、4時台〜6時台にかけて、収穫のピークを迎えます。特に葉物野菜やトマトは、気温が低いうちに収穫することで、鮮度と水分量を保ちやすくなります。

また収穫直後に冷却・水洗・選別までを自ら行う農家も多く、現場はまさに“分刻み”の作業です。

🚛 6:30〜9:00|集荷と出荷、2時間以内のスピード勝負

収穫された野菜は、JA・集荷場・卸売業者・産直センターへと搬入されます。
この「集荷→積み込み→出発」までの時間は1〜2時間以内が勝負。特に「直送型産直」や「契約販売」を行っているところでは、出荷用冷蔵車や集荷便が農家の軒先まで回ることも。

また最近では、地元の複数農家の野菜をまとめてピッキング・梱包し、10時前には都市圏へ向かう出荷を完了する“ミニ物流拠点”も増えています。

🏬 10:00〜14:00|“午前採れ”が午後に店頭に並ぶ理由

午前中に発送された「朝採れ野菜」は、多くの場合その日の午後〜夕方には販売店に到着します。
特に、以下のようなモデルが広がっています。

  • 地元スーパーの産直コーナー
    農家→センター→各店舗へ自社トラック便で配送
  • 道の駅・直売所
    農家が直接持ち込み、10時前後に陳列される
  • 都心マルシェやレストラン
    契約農家が出荷 → 配送会社が当日便で搬入

最近では「朝採れ野菜を15時までにレストランに納品」「朝収穫→午後にマルシェ出店」というモデルも一般化しつつあります。

🧊 鮮度を保つテクノロジーと物流連携

「朝採れ」の価値は、何よりも“鮮度”にあります。
そのためには、以下のような物流技術が欠かせません。

  • 冷蔵・冷風車両(葉物野菜やトマトに最適)
  • 湿度調整付きの保冷箱
  • パッケージ内の鮮度保持フィルム(エチレンガス吸収等)
  • IoT温度モニタリング(輸送中の温度管理)

さらに、地元の青果市場や産直拠点と物流会社(ヤマト運輸・日本通運など)が協業する例も増加。“農の現場”と“流通”の壁を越えた連携が、スピード流通を支えています。

🧑‍🌾 生産者の努力、物流の工夫、そして私たちの「おいしい!」へ

「朝採れ」という言葉の裏には、夜明け前からの作業、生産者と物流の緻密な連携、そして1日のうちに消費者の食卓へ届ける情熱があります。

当たり前に手にするその1本のキュウリ、1個のトマト。
その“鮮度”は、生産と物流が限界まで詰めた「タイムアタック」の結晶なのです。

編集後記

最近は「都市型ミニ物流」や「収穫から6時間以内配送」といった取り組みも注目されています。今後は、さらに地元完結型の流通網やドローン配送なども進むかもしれません。

「朝採れ野菜」、今夜はちょっと違う目で味わってみてはいかがでしょうか?