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COLUMN

コラム

2025.12.05 流通
未来の野菜物流:ドローン・自動運転・共同配送はどこまで現実的?

「ドローンで野菜が飛んでくる時代」
「自動運転トラックが夜通し走って、朝には新鮮野菜が並ぶ」

そんな話を耳にすることが増えましたが、実際のところどこまで“現実の選択肢”として進んでいるのでしょうか。

ここでは、ドローン・自動運転・共同配送という3つのキーワードから未来の野菜物流をイメージしつつ、「どこがすでに動き始めていて、どこがまだ課題だらけなのか」を整理してみます。

ドローン配送:山間地や離島から“点と点”を結ぶ存在に

ドローン配送は、もう完全なSFではありません。
すでに日本でも、山間地や離島で医薬品や日用品、少量の生鮮品を運ぶ実証実験・本格運用が始まっています。

野菜との相性で言えば、

  • 高齢者が多く、買い物弱者が多い地域
  • トラックでは効率が悪い「山の上の集落」や「対岸の小さな集落」
  • 卵・牛乳・少量の葉物野菜など、軽くてかさばらない品目

といったケースでは、かなり現実的になりつつあります。

ただし課題もはっきりしていて、

  • 一度に運べる量が少ない(白菜や大根を大量に…は向かない)
  • 天候(強風・雨・雪)や飛行ルートの制限
  • オペレーションや補償など、仕組みづくりのコスト

を考えると、「トラックの代わりに全国の配送を全部ドローンで」には、まだ遠いのが実情です。

当面は、

トラックで運ぶには効率が悪い“最後のひと登り”を、ドローンが肩代わりする
ような、“ニッチだけど必要なところ”から広がっていくイメージに近いでしょう。

自動運転トラック:長距離輸送の“幹線”を担うかもしれない

野菜の物流では、産地 → 市場・物流センターの長距離輸送が大きなウエイトを占めています。
ここに期待されているのが、自動運転トラックです。

すでに高速道路の一区間を、ドライバー監視付きの自動運転で走らせる実証は各国で進んでおり、
将来的には、

  • 夜間に自動運転で物流拠点同士を行き来する
  • 人手不足が深刻な長距離ドライバーの負担を減らす

といった形での実用化が見込まれています。

ただし、

  • 完全な「無人運転」までの法整備・安全基準
  • 都市部の一般道や、狭い農道・市場周辺の複雑な環境
  • 積み下ろしや荷崩れチェックなど、“人の目”が必要な工程

を考えると、近い将来いきなり「トラックから人が消える」ことはなさそうです。

現実的なのは、

幹線輸送(高速道路区間)だけ自動運転の比率が高まり、
集荷・荷下ろし・市街地走行は人が担当する“ハイブリッド型”

という姿。
野菜物流でも、冷蔵トラックの長距離部分だけ自動運転化が進むことで、結果的に物流コスト・ドライバー不足問題の一部が緩和される可能性があります。

共同配送:すでに現実の選択肢、これから“当たり前”になるかも

ドローンや自動運転に比べて、一番現実に近く、すでに動き始めているのが共同配送です。

  • 異なる産地の野菜を、1台のトラックにまとめて運ぶ
  • 青果・加工品・日配商品など、複数メーカーの商品を同じ便で配送する
  • 競合同士のスーパーでも、バックヤードへの配送部分を共同化する動き

など、「1つのトラックをできるだけ満載にして走らせる」取り組みは、CO₂削減・ドライバー不足対策・コスト削減という3つの面でメリットがあります。

野菜に関しても、

  • 産直EC用の荷物を、宅配便と混載して運ぶ
  • 複数のJA・出荷団体がセンターを共有する
  • 独自便と宅配会社のネットワークを組み合わせる

といった形で、「一社完結」から「連携型」へとシフトするケースが増えています。

今後、燃料費や人件費が上がり続ける前提に立つと共同配送は未来の話ではなく、生き残るための現実解としてますます重要になっていきそうです。

未来の野菜物流は“組み合わせ”で考える時代へ

ドローン・自動運転・共同配送。
これらを「どれが主役になるか?」と考えると少しイメージがずれてしまいます。

おそらく現実の姿は、

  • 幹線:自動運転トラックや鉄道コンテナで大量・効率的に運ぶ
  • 地域拠点:共同配送で、複数の荷主の野菜をまとめて運ぶ
  • ラストワンマイル:一部はドローンや小型EV、残りは既存の宅配ネットワーク

といった、技術と仕組みを“組み合わせて最適化する”世界です。

その中で野菜は、

  • 温度管理が必要な冷蔵ゾーン
  • 衝撃に弱いデリケート品
  • 消費期限が短いからこそスピードが求められる品目

として扱われるため、ただ「早く・安く」だけではなく、品質を守りながらどこまで効率化できるかがポイントになります。

私たちの目線から見える変化

消費者の立場から見た未来の野菜物流は、

  • 「◯◯産の朝採れ野菜が、夕方には届く」スピード感のあるサービス
  • 遠方の産地や小規模農家の野菜でも、気軽にお取り寄せできる環境
  • 配送オプション(時間帯・受け取り方法)の多様化と、再配達の削減

といった形で、じわじわと体感できるようになっていくはずです。

その裏側で、

  • 自動運転区間が増えたり
  • 共同配送が当たり前になったり
  • 一部の地域でドローンが飛び交うようになったり

していても、私たちが直接それを見る機会は多くないかもしれません。

だからこそ、「いつの間にか当たり前になっていた」という形で、未来の野菜物流は静かに私たちの日常に溶け込んでいくのかもしれません。

おわりに:夢物語ではなく、“静かに進行中の未来”

ドローンも自動運転も共同配送も、どれか1つがすべてを変える“魔法の技術”ではありません。

でも、野菜を運ぶ現場の

  • 人手不足
  • コスト増
  • 環境負荷

といった課題を少しずつ和らげるための、現実的な選択肢としてじわじわ進行中の未来です。

野菜売り場で産地表示や流通の説明を見かけたら、「この裏側には、どんな運ばれ方があるんだろう?」と少しだけ想像してみてください。

その想像の中にはドローンや自動運転トラックが走る近い未来の風景も、そんなに遠くないかもしれません。

2025.12.02 流通
冬野菜は重い!物流現場がちょっと大変になる季節

冬になると、スーパーの売り場にどっしりと並び始める白菜・大根・キャベツ。
鍋にも煮物にも大活躍の人気者ですが、物流現場の人たちにとっては、これがなかなかの「重量級シーズン」です。

見た目はほっこり、でも実は、冬野菜=重い・かさばる・数を稼ぎにくいという、運ぶ側にはちょっと大変な特徴を持っています。

白菜・大根・キャベツは「かさばる&重い」の二重苦

冬の主役級野菜は、とにかく一つひとつが大きい。

  • 白菜:1玉で1〜2kg前後
  • 大根:1本で1kgを超えることも
  • キャベツ:玉によってはかなりずっしり

段ボールに詰めると、あっという間に箱が重くなり、1人で持ち上げるのも一苦労な重さになります。

トマトやきゅうりのような「軽いけど数が多い」野菜と違い、“少ない個数なのにトータルは重いのが冬野菜の厄介なところ。
トラックに積める「容積」より先に、「重量」の方が限界に達してしまうこともあります。

積み方にも気を使う、冬ならではのパズル

重い野菜が増えると、積み方の難易度も上がります。

  • 下の段:白菜や大根などの重量級
  • 上の段:葉物やきのこなど、つぶれやすい軽い野菜

といった基本ルールを守りながら、箱の強度を見て「ここまで積んでも大丈夫か」を判断していきます。

特に白菜やキャベツは箱の中で少し余白ができると揺れやすく、輸送中の振動で葉先が傷んだり、外葉が削れたりします。

「重いものを下に」「つぶれやすいものを上に」という当たり前のルールを守りつつ、走行中の揺れにも耐えられるように、隙間を埋めながら積むパズル作業が続きます。

冬道×重量級野菜=ドライバーの負担も増える

冬は野菜だけでなく、道路状況も過酷になります。

  • 雪道・凍結路での走行
  • チェーン装着やスタッドレスタイヤの管理
  • 渋滞・通行止めによる時間の読みづらさ

そこに、重量級の白菜・大根・キャベツをたっぷり積んだトラック。
ブレーキの効き方やカーブでの遠心力も変わるため、ドライバーにはより慎重な運転が求められます。

さらに、納品先での荷下ろし作業もふだんよりハード。
重い箱を台車に乗せ、段差やスロープを越えながら運ぶのは、身体への負担も大きくなります。

「重いからこそ」工夫されること

そんな冬の物流現場では負担を少しでも減らすための工夫がいろいろ行われています。

  • パレット単位での運用を増やす
    手で運ぶ距離を短くし、フォークリフトやハンドリフトを活用する。
  • 箱そのものの設計を見直す
    強度を保ちつつ、持ち手をつける、サイズを見直すなどして扱いやすくする。
  • 出荷タイミングを平準化する
    特定の日・時間帯に作業が集中しすぎないよう、出荷スケジュールを調整する。

それでも、最終的に“人の手”が必要な場面は残ります。
冬場に物流倉庫や市場に行くと重い箱を黙々と運ぶ人たちの姿がいつも以上に目立ちます。

私たちにできる小さな配慮

消費者としてできることは大きくはありませんが、ほんの少しだけ「運ぶ側への思いやり」を持つことはできます。

  • まとめ買いをするときは、カゴやカートを使ってレジまでスムーズに流す
  • ネット注文の場合、再配達にならないよう日時指定や置き配を活用する
  • 地場産野菜や近隣産地のものを選ぶことで、「長距離輸送に頼りすぎない」買い方をする

そんな小さな行動も積み上がればどこかで物流の負担軽減につながっていきます。

おわりに:どっしり重い冬野菜の、見えない「運ばれ方」

鍋や煮物に欠かせない白菜・大根・キャベツ。
食卓に並ぶそのどっしり感は、物流現場ではそのまま「重さ」という負担としてのしかかっています。

それでも、冬の売り場にたっぷりと冬野菜が並んでいるのは、寒い中でも早朝から箱を積み、運び、並べてくれている人たちのおかげ。

次に、どっしり重い白菜や大根をカゴに入れるとき「これを運んでくれた人たちは、もっと大変だったんだろうな」と少しだけ思い出してみてください。

冬野菜のおいしさにちょっとだけ“現場への感謝”という味が足されるかもしれません。

2025.11.28 医療福祉
“農福連携×物流”野菜の仕分け・袋詰めの現場

「この野菜セット、実は福祉施設で袋詰めされているんですよ」
そんな一言をスーパーや直売所で耳にする機会が少しずつ増えています。

畑で収穫された野菜が、私たちのもとに届くまでの途中に障がいのある方が働く福祉施設が関わるケースが増えてきました。
それがいわゆる「農福連携」です。

とくに、物流の中でも“人の手”が欠かせない仕分け・袋詰めの工程は、農福連携と相性の良い仕事のひとつ。
今回は、その現場を少しだけ覗いてみます。

どんな仕事をしているのか?

福祉施設で行われている主な作業は、たとえばこんなものです。

  • 野菜をサイズごと・本数ごとに仕分けする
  • 規定のグラム数を量って袋詰めする
  • 汚れや傷がないか、目視でチェックする
  • シール貼り・ラベル貼り・トレーへの盛り付けを行う
  • セット商品の場合は、数種類の野菜を決められた組み合わせで詰める

「軽作業」という言い方をされることも多いですが、実際には正確さ・根気・丁寧さが求められる仕事です。

1袋のグラム数がズレていないか、本数は合っているか、見た目に問題はないか…。
こうした細かい確認を黙々とていねいに積み重ねていくことで、店頭に並ぶ商品としての信頼が生まれます。

なぜ物流の現場と相性が良いのか

農福連携で、なぜ仕分け・袋詰めの仕事が選ばれやすいのか。
そこには、お互いにとってのメリットがあります。

農家・物流側のメリット

  • 人手が必要な細かい工程を、安定的に任せられる
  • 袋詰めやセットアップ済みの状態で受け取れるため、その後の流通・販売がスムーズになる
  • 「農福連携に取り組んでいる」という社会的な評価・ブランド価値にもつながる

福祉施設・利用者側のメリット

  • 作業手順がある程度パターン化しやすく、訓練しやすい
  • 座り作業・立ち作業など、個々の特性に合わせて分担しやすい
  • 自分たちが詰めた野菜が“商品として並ぶ”ことで、やりがい・自己肯定感につながりやすい

「単純だけど、大切な仕事」。
そのバランスが、農福連携と物流の相性を良くしていると言えます。

品質を守るための工夫

食べ物を扱う以上、衛生面や品質管理は欠かせません。
農福連携×物流の現場では、こんな工夫がされています。

  • 作業前後の手洗い・消毒、帽子・エプロン・マスク着用
  • 作業台・はかり・コンテナの定期的な清掃
  • 作業工程を「チェックリスト」や「写真付きマニュアル」で見える化
  • 重さ・本数チェックを“ダブルチェック”にするなどの仕組みづくり

福祉施設のスタッフが農家や出荷団体からの指導を受けながら「わかりやすいルール」と「続けやすいやり方」に落とし込んでいくのも重要な役割です。

現場ならではの悩みと、乗り越え方

もちろん、良いことだけではありません。
現場ならではの悩みも存在します。

  • 野菜の入荷量が天候で急に変わる → 作業量の波が大きくなる
  • スピードと正確さのバランス → 早くやろうとしてミスが増えるジレンマ
  • 忙しい時ほど、支援スタッフの見守り・フォローが必要になる

こうした課題に対して、

  • 余裕がある日に「ラベル貼り」など事前にできる作業を進めておく
  • 一人ひとりの“得意な作業”を見つけて、役割を分担する
  • 難しい工程はスタッフが担当し、利用者はその前後の工程を担う

といった形で、仕組みと役割分担でカバーしている現場が多くあります。

“ストーリー”が商品価値になる時代へ

最近では、

  • パッケージやPOPに「この野菜は◯◯福祉施設で袋詰めしています」と記載する
  • SNSやWebサイトで、農福連携の取り組みを発信する

といった形で物流の一部としての農福連携が、ブランド価値やストーリーにもなり始めています。

「安いから買う」だけでなく、「誰が関わっている商品なのか」「どんな背景があるのか」を重視する人が増えている今、農福連携の現場は社会と農業と物流をつなぐ接点にもなりつつあります。

おわりに:野菜の袋の向こう側にいる人たち

スーパーで何気なく手に取る、1袋の野菜。
その裏には、

  • 畑で育てた農家さん
  • 仕分け・袋詰めをしている福祉施設の利用者さんとスタッフ
  • それを運ぶ物流の現場

といった、たくさんの人の手がつながっています。

もし次に「野菜の詰め合わせセット」や「規格外野菜の詰め放題」などを見かけたらその袋の向こう側に農福連携の仕分け・袋詰めの現場があるかもしれない――
そんな視点で眺めてみるといつもの野菜が、少しだけ温かく見えてくるはずです。

2025.11.25 野菜
冬の畑は本当に“お休み”なのか?

冬の畑というと、土の上には何も生えておらず、雪にすっぽり覆われて「静かな風景」というイメージが強いかもしれません。
「農家さんは冬はお休みなんですよね?」なんて会話も、よく聞かれます。

でも実は、冬の畑や農家の仕事は、見えづらいだけで“オフ”ではないことがほとんど。
作物を育てる季節とは違う種類の忙しさが、しっかりと詰まっています。

ここでは、「冬の畑で何が行われているのか」を、少しだけ覗いてみましょう。

冬でも“生きている”畑:越冬野菜たち

冬の畑でも、完全に何もないわけではありません。

  • 土の中でじっくり甘くなるにんじん・大根
  • 雪の下で糖度をためていくキャベツ・白菜
  • 寒さにあたることでおいしくなるほうれん草・小松菜

など、「寒さがあるからこそ、おいしくなる」冬野菜も多く存在します。

見た目には枯れたように見える葉っぱでも地面の下ではしっかりと根が生きていたり、株の中心部が次の成長のタイミングを待っていたりします。

畑は人の出入りが少なく見えてもゆっくりと時間をかけて“味をつくる季節”でもあるのです。

春・夏に向けた「準備の季節」

冬は、次のシーズンに向けた準備の時間でもあります。

  • 土づくり(堆肥や石灰を入れて、土の状態を整える)
  • 使い終わった支柱・マルチ(ビニール)の撤収
  • 圃場の排水改善や、畦(あぜ)の補修
  • 次の作付け計画(どこに何をどれだけ植えるか)

こうした作業は、作物が畑にびっしりと植わっている時期にはやりにくいため、比較的“空いている”冬のうちに進められます。

特に、土づくりや圃場の整備は、翌年の収量や品質を左右する土台。
夏においしいトマトやきゅうりを食べられるのは実は冬の地味な作業があってこそ、という側面もあります。

ハウス栽培はむしろ「冬が繁忙期」

ビニールハウスや温室を使っている農家さんにとっては冬こそが本番、ということも少なくありません。

  • ハウス内でのレタス・ほうれん草・小松菜などの栽培
  • 暖房機・換気・保温資材(ビニール・不織布)の管理
  • 霜・雪・強風からハウスを守る補強作業

外は寒くても、ハウスの中では朝から収穫・出荷作業が続きます。
暖房代や資材費がかかる分、管理もシビアで手間も増えます。

「冬でも野菜が当たり前のようにスーパーに並んでいる」
その裏には、こうしたハウス栽培の現場の努力があります。

機械の整備・書類・販売の振り返り

冬は、畑だけでなく、農家さん自身も“次に備える時間”を持つ季節です。

  • トラクターや作業機の点検・修理
  • 出荷データや売上の振り返り(どの作物がどれだけ売れたか)
  • 来季の種や苗の注文
  • 補助金・助成金、各種申請書類の整理
  • 取引先との打ち合わせ、新しい販路の検討

いわゆる「デスクワーク」や「経営の見直し」に充てる時間が増えるのも冬。
一年を通して畑に出ずっぱりだとできないことをここぞとばかりに片付けていきます。

雪国の“戦い”:守るための冬仕事

雪の多い地域では、冬の畑仕事はまた別の顔になります。

  • ハウスの雪下ろし
  • ビニールや骨組みが潰れないように補強
  • 圃場への出入りのための除雪

「作る」というよりも、「守るための仕事」が増えるのが雪国の冬です。

雪下にんじん・雪下キャベツなど、“雪の力”を逆に利用した野菜もありますが、それを支えているのはやはり地道な除雪や補修作業だったりします。

おわりに:冬は“止まる”季節ではなく、“仕込む”季節

ぱっと見には何もしていないように見える冬の畑。
しかしその実態は、

  • 越冬野菜がじっくりと甘さを蓄える
  • 土を整え、設備を直し、計画を練る
  • ハウスや雪下栽培では、むしろ繁忙期

というように、次のシーズンに向けた“仕込みの季節と言えます。

「冬は畑も農家もお休み」というイメージは、畑の仕事の“表舞台”しか見えていないからこそ生まれるものかもしれません。

冬の間も続いている、目に見えない準備と手入れがあるからこそ、春・夏・秋の野菜がいつものように私たちの食卓に並びます。

もし冬に畑のそばを通る機会があったらぜひ「ここでは、来年の野菜づくりの準備が進んでいるんだな」と少しだけ想像してみてください。
静かな景色の中に、違った“働き者の姿”が見えてくるはずです。