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コラム
「昔よりもトマトの出回りが早くなった気がする」
「きゅうりやナスが6月にはもうピークになっている」
そんな実感を覚えたことはないでしょうか?
実は近年、夏野菜の「旬の時期」に変化が起きていると言われています。
その背景にあるのが、地球温暖化による気温の上昇や気象の不安定化です。
栽培環境の変化によって作付けのタイミングが早まり、逆に収穫のピークが短くなっているケースも増えています。
「旬」とは本来、その食材が一番おいしく、栄養価も高くなる時期のこと。
しかし気候の変化が続けば、私たちが慣れ親しんできた“季節の味覚”が、知らぬ間にズレていく可能性もあるのです。
夏野菜の代表格であるトマトやナス、きゅうり、ピーマンなどは、本来6月中旬〜8月にかけてピークを迎える作物です。
ところが近年では、4月下旬から5月中旬にかけて出荷が本格化するケースが増加しています。
これは春先から気温が高くなる傾向が続き、苗の生育スピードが早まっていることが一因です。
早く出荷できるのはメリットにも思えますが、逆に真夏のタイミングで品質が落ちたり、病害虫リスクが増えるなどの課題も抱えています。
地球温暖化は単なる気温の上昇にとどまりません。
極端な天候(猛暑・ゲリラ豪雨・突風・長雨)が頻発するようになり、収穫のタイミングが予測しづらくなっているのが現状です。
特に雨が長く続くと実が裂ける「裂果」や、湿気による病害が起こりやすくなり、収穫できる時期が限られてしまうケースも増加。
本来であれば「旬」とされる時期に安定供給が難しくなるという、“旬が旬でなくなる”現象が起きています。
こうした状況に対応するため、生産者の側でも栽培時期や品種を工夫する動きが進んでいます。
つまり、“自然まかせ”だった旬を人為的に管理・調整しなければ対応できない時代に入りつつあるのです。
一方、消費者側では「スーパーに並んでいれば旬」と思い込む傾向もあり、本来の旬とのギャップが広がっています。
たとえば、5月のトマトを見て「もう夏野菜の季節か」と感じても、それが**ハウス栽培で早出しされた“人為的な旬”**である場合も少なくありません。
このように、気候変動と流通技術の発達が、私たちの“旬の感覚”を曖昧にしているとも言えるのです。
「旬の野菜を食べること」は、単に栄養価や味の良さだけでなく、自然のリズムと調和した暮らし方でもあります。
しかし地球温暖化によってそのリズムが変化し、“いつもの季節に、いつもの野菜がない”という未来も現実味を帯びてきました。
だからこそ、今こそ「なぜこの時期にこの野菜があるのか?」と一度立ち止まってみることが大切です。
気候変動を遠い出来事としてではなく、“旬の味が変わる”という身近な変化から感じ取ることが、次のアクションにつながる第一歩になるかもしれません。
夏になると、冷やしトマトやきゅうりの浅漬け、冷製サラダなど、ひんやりとした野菜メニューが食卓に並ぶ機会が増えます。
「暑い日には冷たい野菜が一番」「体に良さそう」と感じて、健康意識の高い人ほど積極的に取り入れているのではないでしょうか?
しかし、冷やし野菜には“食べ方次第で逆効果になる”落とし穴があることは、あまり知られていません。
体を内側から冷やす性質がある夏野菜ですが、それが行き過ぎると、胃腸の働きの低下・冷えによる代謝の悪化・内臓疲労といったトラブルを引き起こすこともあるのです。
「体にいいと思って続けていた習慣が、実は不調の原因だった」——そんな事態を防ぐためにも、冷やし野菜の意外なリスクと、上手な付き合い方を知っておきましょう。
トマト、きゅうり、レタス、ナス、ゴーヤなど、夏が旬の野菜は基本的に水分とカリウムが多く、体温を下げる作用があります。
これは暑い季節に体を冷やしてくれる自然の知恵とも言えますが、取りすぎると逆効果になることも。
特に、エアコンの効いた室内で冷たい野菜を大量に食べると、内臓が冷えて胃腸の働きが弱まり、食欲不振や腹部の不快感が現れるケースもあります。
冷やし野菜の過剰摂取によって起こりやすい体の不調には、以下のようなものがあります:
特に冷蔵庫でキンキンに冷やした状態で食べ続けると、消化器官が冷えて働きが鈍くなり、疲労感が抜けにくくなることがあります。
最近はサラダ専門店やコンビニでも、冷製サラダやカット野菜が主力メニューとなっています。
低カロリー・高ビタミン・食物繊維が摂れるという点から、ダイエットや健康目的で日常的に食べる人も多いでしょう。
しかし、「野菜=体に良い」だけで食べ方を気にしないと、かえって体調を崩すリスクもあるのです。
特に冷え性の人や胃腸が弱い人は、常温・温野菜とのバランスを意識することが重要です。
では、冷やし野菜は避けた方がいいのでしょうか?答えはNOです。
大切なのは、食べるタイミングや体調とのバランスをとることです。
以下のような工夫がおすすめです:
このように、体をいたわりながら冷やし野菜を楽しむ“温冷バランス”の視点が健康維持のカギになります。
冷やし野菜は、夏の楽しみでもあり、健康にも良い食材です。
しかし、それが“万能な健康食”ではないことも忘れてはいけません。
「たくさん食べれば健康になれる」と思い込まず、季節・体調・食べ合わせを意識することで、冷やし野菜の恩恵をより上手に取り入れることができます。
夏を元気に乗り切るためにも、「冷たさ」が体に与える影響に、一度目を向けてみてはいかがでしょうか。
…2025年の夏、日本各地で観測史上最高気温を更新する日が続いています。記録的な猛暑に加え、梅雨時期の極端な豪雨や長引く日照不足が農作物に大きな影響を与えています。
なかでも影響が顕著なのが「トマト」。スーパーでは例年より小ぶりで色づきの悪いトマトが並び、価格も例年の1.3〜1.5倍に上昇しています。
こうした異常気象は、ただの一時的な天候不順では済まされません。気候変動が本格的に“私たちの食卓”へ影響を及ぼし始めている兆候とも言えるのです。
今回は、2025年夏の気象状況が夏野菜、とくにトマトに与えている影響について見ていきます。
トマトは暑さに強い野菜と思われがちですが、実は高温多湿には非常に弱い作物です。
開花期に35℃以上が続くと受粉がうまくいかず、実がつきにくくなります。
また、夜間の気温が下がらないと、実が赤く色づかず、生育不良になりやすい特徴もあります。
2025年の夏は、日中35〜38℃の猛暑が長く続き、夜間も25℃以上の熱帯夜が連日記録されました。これにより、トマトの果実が肥大しない、赤くならない、収量が減るといった被害が広がりました。
加えて、今年の梅雨は例年より1週間以上早く始まり、日照不足と断続的な豪雨が続きました。
トマトのような果菜類は日光をたっぷり浴びて育つため、日照不足はそのまま品質低下や病害の増加につながります。
雨が多いことで湿度が上がり、病気(うどんこ病・疫病)や裂果のリスクも増加。
農家の中には、「1回の大雨でハウスが水没した」という声や、「実の半分が裂けてしまい、出荷できなかった」といった報告も出ています。
こうした生育不良により、トマトの出荷量は全国的に減少傾向に。
結果として、市場価格が高騰し、消費者が「高くて手が出ない」と感じる事態に発展しています。
また、トマトだけでなく、同様に高温や日照不足の影響を受けやすい以下の野菜にも影響が出ています:
これにより、「夏野菜が高い・品質が不安定」という声が消費者から相次いでいます。
農家はこうした気候リスクに対応するために、以下のような努力を行っています:
しかし、こうした対策には設備投資や経験、労力が必要で、すべての農家が対応できるわけではありません。
特に中小規模の農家にとっては、今年のような夏は経営に直結する大打撃です。
消費者としても、気候変動が野菜に及ぼす影響を「高い・不便」で終わらせず、背景を知ることが求められています。
たとえば:
といった選択が、農家の支援にもつながります。
これまで「旬の野菜=美味しくて安い」が当たり前でした。
しかし、気候変動が本格化する中で、その常識は大きく揺らぎ始めています。
今後も猛暑や豪雨が常態化するならば、「季節の味」そのものが変わってしまうかもしれません。
トマトの不作は、私たちの食卓が気候と直結していることを改めて示す“警告”とも言えるのではないでしょうか。
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