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冬になると、スーパーの売り場にどっしりと並び始める白菜・大根・キャベツ。
鍋にも煮物にも大活躍の人気者ですが、物流現場の人たちにとっては、これがなかなかの「重量級シーズン」です。
見た目はほっこり、でも実は、冬野菜=重い・かさばる・数を稼ぎにくいという、運ぶ側にはちょっと大変な特徴を持っています。
冬の主役級野菜は、とにかく一つひとつが大きい。
段ボールに詰めると、あっという間に箱が重くなり、1人で持ち上げるのも一苦労な重さになります。
トマトやきゅうりのような「軽いけど数が多い」野菜と違い、“少ない個数なのにトータルは重いのが冬野菜の厄介なところ。
トラックに積める「容積」より先に、「重量」の方が限界に達してしまうこともあります。
重い野菜が増えると、積み方の難易度も上がります。
といった基本ルールを守りながら、箱の強度を見て「ここまで積んでも大丈夫か」を判断していきます。
特に白菜やキャベツは箱の中で少し余白ができると揺れやすく、輸送中の振動で葉先が傷んだり、外葉が削れたりします。
「重いものを下に」「つぶれやすいものを上に」という当たり前のルールを守りつつ、走行中の揺れにも耐えられるように、隙間を埋めながら積むパズル作業が続きます。
冬は野菜だけでなく、道路状況も過酷になります。
そこに、重量級の白菜・大根・キャベツをたっぷり積んだトラック。
ブレーキの効き方やカーブでの遠心力も変わるため、ドライバーにはより慎重な運転が求められます。
さらに、納品先での荷下ろし作業もふだんよりハード。
重い箱を台車に乗せ、段差やスロープを越えながら運ぶのは、身体への負担も大きくなります。
そんな冬の物流現場では負担を少しでも減らすための工夫がいろいろ行われています。
それでも、最終的に“人の手”が必要な場面は残ります。
冬場に物流倉庫や市場に行くと重い箱を黙々と運ぶ人たちの姿がいつも以上に目立ちます。
消費者としてできることは大きくはありませんが、ほんの少しだけ「運ぶ側への思いやり」を持つことはできます。
そんな小さな行動も積み上がればどこかで物流の負担軽減につながっていきます。
鍋や煮物に欠かせない白菜・大根・キャベツ。
食卓に並ぶそのどっしり感は、物流現場ではそのまま「重さ」という負担としてのしかかっています。
それでも、冬の売り場にたっぷりと冬野菜が並んでいるのは、寒い中でも早朝から箱を積み、運び、並べてくれている人たちのおかげ。
次に、どっしり重い白菜や大根をカゴに入れるとき「これを運んでくれた人たちは、もっと大変だったんだろうな」と少しだけ思い出してみてください。
冬野菜のおいしさにちょっとだけ“現場への感謝”という味が足されるかもしれません。
…
「この野菜セット、実は福祉施設で袋詰めされているんですよ」
そんな一言をスーパーや直売所で耳にする機会が少しずつ増えています。
畑で収穫された野菜が、私たちのもとに届くまでの途中に障がいのある方が働く福祉施設が関わるケースが増えてきました。
それがいわゆる「農福連携」です。
とくに、物流の中でも“人の手”が欠かせない仕分け・袋詰めの工程は、農福連携と相性の良い仕事のひとつ。
今回は、その現場を少しだけ覗いてみます。
福祉施設で行われている主な作業は、たとえばこんなものです。
「軽作業」という言い方をされることも多いですが、実際には正確さ・根気・丁寧さが求められる仕事です。
1袋のグラム数がズレていないか、本数は合っているか、見た目に問題はないか…。
こうした細かい確認を黙々とていねいに積み重ねていくことで、店頭に並ぶ商品としての信頼が生まれます。
農福連携で、なぜ仕分け・袋詰めの仕事が選ばれやすいのか。
そこには、お互いにとってのメリットがあります。
「単純だけど、大切な仕事」。
そのバランスが、農福連携と物流の相性を良くしていると言えます。
食べ物を扱う以上、衛生面や品質管理は欠かせません。
農福連携×物流の現場では、こんな工夫がされています。
福祉施設のスタッフが農家や出荷団体からの指導を受けながら「わかりやすいルール」と「続けやすいやり方」に落とし込んでいくのも重要な役割です。
もちろん、良いことだけではありません。
現場ならではの悩みも存在します。
こうした課題に対して、
といった形で、仕組みと役割分担でカバーしている現場が多くあります。
最近では、
といった形で物流の一部としての農福連携が、ブランド価値やストーリーにもなり始めています。
「安いから買う」だけでなく、「誰が関わっている商品なのか」「どんな背景があるのか」を重視する人が増えている今、農福連携の現場は社会と農業と物流をつなぐ接点にもなりつつあります。
スーパーで何気なく手に取る、1袋の野菜。
その裏には、
といった、たくさんの人の手がつながっています。
もし次に「野菜の詰め合わせセット」や「規格外野菜の詰め放題」などを見かけたらその袋の向こう側に農福連携の仕分け・袋詰めの現場があるかもしれない――
そんな視点で眺めてみるといつもの野菜が、少しだけ温かく見えてくるはずです。
冬の畑というと、土の上には何も生えておらず、雪にすっぽり覆われて「静かな風景」というイメージが強いかもしれません。
「農家さんは冬はお休みなんですよね?」なんて会話も、よく聞かれます。
でも実は、冬の畑や農家の仕事は、見えづらいだけで“オフ”ではないことがほとんど。
作物を育てる季節とは違う種類の忙しさが、しっかりと詰まっています。
ここでは、「冬の畑で何が行われているのか」を、少しだけ覗いてみましょう。
冬の畑でも、完全に何もないわけではありません。
など、「寒さがあるからこそ、おいしくなる」冬野菜も多く存在します。
見た目には枯れたように見える葉っぱでも地面の下ではしっかりと根が生きていたり、株の中心部が次の成長のタイミングを待っていたりします。
畑は人の出入りが少なく見えてもゆっくりと時間をかけて“味をつくる季節”でもあるのです。
冬は、次のシーズンに向けた準備の時間でもあります。
こうした作業は、作物が畑にびっしりと植わっている時期にはやりにくいため、比較的“空いている”冬のうちに進められます。
特に、土づくりや圃場の整備は、翌年の収量や品質を左右する土台。
夏においしいトマトやきゅうりを食べられるのは実は冬の地味な作業があってこそ、という側面もあります。
ビニールハウスや温室を使っている農家さんにとっては冬こそが本番、ということも少なくありません。
外は寒くても、ハウスの中では朝から収穫・出荷作業が続きます。
暖房代や資材費がかかる分、管理もシビアで手間も増えます。
「冬でも野菜が当たり前のようにスーパーに並んでいる」
その裏には、こうしたハウス栽培の現場の努力があります。
冬は、畑だけでなく、農家さん自身も“次に備える時間”を持つ季節です。
いわゆる「デスクワーク」や「経営の見直し」に充てる時間が増えるのも冬。
一年を通して畑に出ずっぱりだとできないことをここぞとばかりに片付けていきます。
雪の多い地域では、冬の畑仕事はまた別の顔になります。
「作る」というよりも、「守るための仕事」が増えるのが雪国の冬です。
雪下にんじん・雪下キャベツなど、“雪の力”を逆に利用した野菜もありますが、それを支えているのはやはり地道な除雪や補修作業だったりします。
ぱっと見には何もしていないように見える冬の畑。
しかしその実態は、
というように、次のシーズンに向けた“仕込みの季節と言えます。
「冬は畑も農家もお休み」というイメージは、畑の仕事の“表舞台”しか見えていないからこそ生まれるものかもしれません。
冬の間も続いている、目に見えない準備と手入れがあるからこそ、春・夏・秋の野菜がいつものように私たちの食卓に並びます。
もし冬に畑のそばを通る機会があったらぜひ「ここでは、来年の野菜づくりの準備が進んでいるんだな」と少しだけ想像してみてください。
静かな景色の中に、違った“働き者の姿”が見えてくるはずです。
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